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2011年 11月 29日
今日は藤原竜也さんの声の事と、岸田理生さんの恋物語の話を。
先日のテレビ「波瀾爆笑」を見ていたら、無性に身毒丸を観たくなって 『身毒丸・復活』のDVDを観始めたんですが。声が、違う。 記憶の中の身毒の声じゃない。 『復活』をナマで観劇した時にはその迫力に魅入られて声の事は気にならなかったのに。 すぐ観るのをやめて特典の「身毒丸と呼ばれた少年の10年」の、オーディションから初舞台までを見たところで、やっと取り戻すあの声。 透き通った水晶のような鋭さで心に突き刺さる声。 「霜降る夜 巣ごもる鶴は 自分の翼で我が子をかばう 僕の母は 我が子を残してゆく心がギリギリせつない」 ここで蜷川さんから指導を受けてまた 「焼け野のきぎす 夜の鶴 巣を営む野山を焼かれたキジは」と、 ためらいながらも噛みしめるように台詞を言う。 こんな台詞、あったかなぁ。気になってしまい戯曲を調べる。 78年初演天井桟敷版も、95年岸田理生さんが新たに書いた本にも、ない。 他の役者の台詞になっているのかと読み返してみるが見当たらない。 (どなたかご存知でしたら教えてください) 岸田さんが書かれた恋物語をもっと知りたくて、昔のドラマを動画サイトで見てみた。 92年のドラマ「怪談 耳無し芳一」(三上博史さん主演) よく知られた怪談だけれど、岸田さんは恋物語に仕立てておられる。 最近目が疲れるので、じっくり耳をすませて聞いていて、驚いた。 芳一を愛した亡霊の二位の尼が言うセリフ 「この世のことなど 見まじ聞くまじ語るまじ 忘れるがいいんです ほら ここは 暖かい真昼 陽射しがふるよう あふれるよう 空よぎる かげろうのように さわたる 風のように さあ抱くがいい 私の体」 この台詞、撫子の台詞じゃないですか。 芳一「できません できないんです」 尼「なぜ」 芳一「私は男」 尼「私は女」 芳一「私は人」 尼「私は魔」 身毒丸のラストシーンとそっくりです。 しかも78年の寺山さんの本ではラストが全く違っていて、この台詞はなかったし、岸田さんが身毒丸を書かれたのはこれから数年後。 ドラマが先だったのか。 身毒は撫子と抱き合いながら闇に消えてゆくのだけれど、芳一は拒絶するかわりに両耳を愛の証として差し出す。 かなりきわどいシーンもあるけれど、台詞は岸田さんらしく美しいもの。 昔のドラマって凄かったんですね。 波瀾爆笑から、身毒丸、そして昔のドラマ、辿って楽しませてもらいました。 「焼け野のきぎす(キジ)夜の鶴」とは子を思う親の愛をたとえていう語だそうです。 思い切って観に行った舞台『身毒丸』で今まで味わったことのない感情が溢れて以来、身毒丸について色々読んだり見たりしてきたつもりでしたが、まだまだ奥が深い。
by shintoku0
| 2011-11-29 19:02
| 藤原竜也 メモ
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Comments(7)
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バル
at 2011-11-30 02:04
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お久しぶりです。
003の母さんのこの日記を読むと、また見たくなっちゃうじゃないですか「身毒丸」!岸田理生さんの言葉は綺麗ですね。「この世のことなどは・・・」が他のドラマの中の台詞だったなんて!そうだとしても私のお気に入りの台詞です❤また一つ教えてもらいました。ありがとうございました!
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まあや
at 2011-11-30 12:34
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003の母さん こんにちは!
そのドラマ CMは、みた記憶があるのですが・・・怪談は苦手でドラマは見ませんでした(汗)私も ↑ の撫子の台詞が大好きです♡(二位の尼が先なんですね)そのドラマはどこかで見られんるんですよね?怖いなんて言ってられません!今すぐにでも見たいです(笑)いつも教えていただきありがとうございます☆
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まあや
at 2011-11-30 13:19
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何度もスミマセン(^_^;) 「けざやか」初めて聞きました(おバカさんです) 際立っている、はきりしているさまを言うんですね~ありがとうございます!
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003の母
at 2011-11-30 17:28
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バルさん、こんにちは♪
コメントありがとうございます! バルさんちに、こっそりお邪魔してますので毎日会ってる気がします(笑)私は新選組!が見たくなりましたよ〜♪ 岸田さんがテレビドラマの脚本をたくさん書いておられた事はずっと知らなくて、昔のドラマをネットで見て、その才能に驚かされました。早く亡くなられたのが本当にもったいないです。 甘くて涙をさそうようなわざとらしい恋物語は苦手なんですけど、岸田さんが書かれるようなおどろおどろしくてロマンティックな恋話なら、また藤原さんに主演して欲しかった。 撫子の台詞が二位の尼の後だというのは、今のところの私の知識の範囲内で理解したので、ひょっとしたらもっと違う事実があるのかもしれません。知りたいです〜もっともっと身毒丸の事を♥
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003の母
at 2011-11-30 17:31
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まあやさん、こんにちは!
このドラマね、母がリアルタイムで見た記憶があるんですって。怪談もスプラッターも大好き家族です(爆)でもこの台詞は全く覚えていないとか。テレビで見るとどうしても絵のほうに気をとられて台詞をゆっくり味わえないですし(と言い訳してました母、ハハ) 載せていいかどうか分かりませんが、動画サイトは http://www.nicovideo.jp/watch/sm740289 金曜ドラマシアター 怪談 KAIDAN 耳無し芳一その3 3が始まって7分あたりです。 アドレス間違ってたらご免なさい。 「けざやか」は岸田理生戯曲集「身毒丸 草迷宮」のあとがきで、岸田さんが蜷川さんの演出にたいしてこの言葉を使っておられたんですよ。私もこの本を読むまで知りませんでした(大汗)色々藤原さんのおかげで勉強になります〜♪ (ゆかりさんち、気になりますね。心配です)
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あんこ
at 2011-12-06 01:07
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こんばんは~♪(なんだか忘れた頃にコメント失礼します・・大汗)
003の母さん 藤原さん絡み♡の興味深いお話をありがとうございます♪ 私も「耳無し芳一」をリアルタイムで見ました。 まあやさんと違って、怪談もOKですから(笑)動画で確認して、小泉八雲のとは違う艶めかしさに当時、驚いた事を思い出しました!あれが岸田さんの脚本だったんですね♪ 003の母さんの身毒丸との比較も繋がりも面白く嬉しく読ませていただきました♡(重箱の隅を楊枝でほじくるの好きなので・・爆)
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003の母
at 2011-12-06 08:59
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あんこさん〜おはようございます♪
コメントありがとうございます♡ 見逃すところでしたよ〜危ない危ない。 お体の調子は如何ですか♡本格的に寒くなってきて、やっと紅葉も綺麗に色付いてきました(なんて季節の挨拶。笑) このドラマ、私はたぶんお風呂に入っていた時間です(笑)昔のドラマってまるで映画みたいな味わい深いものがあったんですね。最近ドラマは全く見ないけど、こういうのがあればなぁと思います。目を労りながらなので、あまり動画は見られないのが残念で(泣) 藤原さんの怒濤のテレビ出演が終わってホッとしたんですが、また少し物足りなくなりつつあります(爆)勝手なもんですね。新選組!みたいな上質の大河に主演で出て欲しいな〜♪ きのう早々と一年の締めくくりのような記事をアップしましたが、また気になる事があればアップしてゆきますね。ぼちぼちですが。 どうぞおつき合いくださいませ〜♪
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